2010年9月23日木曜日

キムスンテ「ムギョドントロット」
김승태"무교동 도롯도"


 今日もキャバレー系なんですけど。キャバレーは基本ですから、ポンチャクの。
 でも、日本のキャバレーを想像しちゃダメですよ。日本のキャバレーのようにオヤジしか行かない、ということはありません。男の客だけでなく女の客もいて、ボーイがブッキングしてくれたりするわけ。ホステスはいません。
 要するに「クラブ」ですよ、「クラブ」。酒と音楽とダンスの場を提供し、男女の出会いを演出し交尾を促すと。
 ただし韓国キャバレーの場合、客の年齢層が相当に高いんですけど。でも、男女の出会いと交尾を促すのは、「クラブ」と同じです。

 韓国のキャバレーは、小さな地方都市にもかならずありますが、農閑期には昼間から営業しているそうです。あるベテランキャバレーシンガーから聞きました。
 50代〜60代くらいの、孫がいそうな男女が、酒飲んで踊って、気があえばヤっちゃったりするわけですね、昼間から。
 こういうのをムッチマ(묻지마)って言うんですね。

 キャバレーはともかく、今回のこの「ムギョドントロット」は、一聴しただけではもしかしたら良さがわかりにくいかもしれません。私もそうでした。しかし、何度か聴くうちにどんどんハマっていきました。
 クセがなくてとても聴きやすい、癒される1枚です。1日の終わりに、部屋の灯りを落としてお酒を飲むときなどには最高です。
 釣りは、鮒(フナ)にはじまり鮒に終わると申します。このCDはまさに「鮒」だと申せましょう。何年たっても聴き飽きない良盤です。

 ♪ 살아있는 가로수(生きている街路樹)

 ところで、歌い手のキムスンテさん。雰囲気は良いのに音盤がこれ以外に見あたらず不思議に思い、所属レコード会社の社長に問い合わせたら「体が弱く歌手活動を続けられなかった」とのことでした。歌声を聴くと、さも有りなんとは思いますが、残念ですね。

 なお、タイトルの「ムギョドン」は地名で、明洞のとなり、ソウル市庁の裏手の方です。現在は立派なビルに埋め尽くされた感がありますが、昔は飲食店が軒を連ねる繁華街だったようで、キャバレーやダンスホールなんかも多かったのでしょう。
 昨日に引き続き、今日のテーマも「郷愁」でございました。


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