2012年2月28日火曜日

開運Tシャツの開運効果

ご好評をいただいておりますこのTシャツ。


オクスドンワンスンデ開運Tシャツでございます。
なぜ「開運」かというと

1.  色が黄色で金運がアップしそうだから
2.  後ろ襟下に願望成就のおフダをプリントしたから

ということなんですが、実は先週、この開運効果を証明するような出来事がございました。
それは、2月22日に阿佐ヶ谷Loft Aにて行なわれた「コレサニャン(鯨とり)」という韓国映画のDVD発売記念イベントにおいてでございます。

その日、会場内に販売スペースを設けてくださるとのことで、私もムッチマレコーズとしてイベントに参加いたしました。
また、このTシャツページのモデルになってくれた方と関係の深い「虹の会」からも、4人が参加してくださいました。しかもそのうち2人がこの「オクスドンワンスンデ開運Tシャツ」を着て。

イベントの途中、参加者が持ち寄った各種プレゼントが当たる抽選会があったのですが、このTシャツを着た虹の会メンバーがなんと、当たりを連発!
主催者である西ヶ原字幕社の林原社長がツイッターで「ムッチマレコーズのTシャツは抽選に強い!」と感嘆していたほど。
はからずもその開運効果が実証されたのでございました。
これで1,960円とは、どなたさまも、ポチっとせずにはおられますまい。
→ 販売サイトはこちらです

なお、Tシャツのモデルになってくれたこの男性。「誰?」という声も多いのでご紹介しますが、虹の会のしばたさんという方です。
重度の知的障害があり、いつも接している会のメンバーとならわかりませんが、私のような部外者とは、ほとんど会話もできません。
虹の会が運営する「にじ屋」というリサイクルショップに行くと、他のメンバーがテキパキと仕事をする中、いつも皆から少し離れてぼーっと立っているたたずまいが、以前から気になっていたのです。

当初は、スタイルの良いフィリピン女性にモデルをお願いする予定だったのが、お互いに忙しくて日程の都合がつかず、考えあぐねた末にふと思い出したのが、30年近く前の愛読書=蛭子能収「なんとなくピンピン」の裏表紙でした。



蛭子能収が寝起きでぼーっとしていながら股間はピンピンしている、この写真。よく見ると、押し入れの襖に、霜田恵美子のものと思われる絵がガムテープで無造作に貼ってあるという…。

ともかく、これだ! と啓示を受け、それならばしばたさんしかいない、と虹の会に頼んで、撮影が実現しました。
結果は、ご覧の通り。カメラマンもモデルも、期待以上に良い仕事をしてくれました。

思えばこの「虹の会」に惹かれたのも、会の機関誌で、何かの選挙時にこのしばたさんが投票所に行った写真を見てからです。
ともすれば予定調和的な選挙という制度や、それを取り仕切る公務員の世界に障害者という「異物」を投げ入れて、その狼狽ぶりを笑ってしまうパンクっぽさ。

そんなパンクな彼らは「スーパー猛毒ちんどん」という大所帯のちんどんバンドもやっていて、直近では3月4日(日)にさいたま市の「ホレホレ」というライブハウスで公演があります。
前回のゲストが制服向上委員会で、なんというか、イタイケな少女と白塗りフリークス集団のコントラストがたまらなかったわけなんですが、今回の共演者はYK型(吉田照美さん+小島嵩弘さん)だそうです。
皆さんもぜひ彼らの、笑いあり涙ありのフリークショーを、なんの因果かこのブログにたどり着いたあなたにも堪能していただきたい。
詳しくは下のリンクから!

→ 虹の会プレゼンツ「愚民政策」

* * *

スーパーちんどんコンポーザー佐藤の日記より

→「地球、風、そして火」全てを呑み込み排泄された「宇宙のファンタジー」 
→ ムッチマレコーズ!


2012年2月24日金曜日

歌詞カード

オクスドンワンスンデ「落ちそうだ」
http://dl.dropbox.com/u/53784966/kasi/wangsundae.pdf

チョンヒラ「露骨ソング」
http://dl.dropbox.com/u/53784966/kasi/rokotsu01.pdf 

 2月22日(水)阿佐ヶ谷LoftAで行なわれた韓国映画「コレサニャン(鯨とり)」発売記念イベント物販コーナーにて、オクスドンワンスンデCDおよびチョンヒラ露骨ソングDVDをご購入の方へ。

 それぞれの歌詞カードが、上のURLからダウンロードできます。

 A4横位置で両面プリントし、二つ折りにすると、4ページの冊子となります。

 チョンヒラ「露骨ソング」第2集の歌詞カードは、現在作成中です。第3集については、作成の予定がありません。

2012年1月22日日曜日

オクスドンワンスンデ「落ちそうだ」
옥수동왕순대 "똑떨어지겠네"

私は確かにポンチャックとかトロットとかが好きで、ムッチマレコーズなんていうお店も出したわけですけど、もともとはロック好きで。中には、ロックっぽさを感じるポンチャックもなくはないんですが、ごくごくまれで、最近ではまったくなくて。
 だからこの人を知ったときにはうれしかったですね、オクスドンワンスンデ。


 オクスドンワンスンデのデビューミニアルバムです。チャンギハと顔たちや、ミミシスターズなんかと同じ、ブンガブンガレコードから出てます。
 ちなみにオクスドンは地名で、ソウルの地下鉄3号線オクス駅付近の、漢江を見下ろす高台の街、ワンスンデは韓国式腸詰め=スンデのデカいヤツです。それを芸名にしているわけで、バンドでなく、個人です。

♪ 벌집됐네

 出だしのこの曲なんか、韓国地方都市の市場なんかで聴こえてきても全然違和感のない完璧なポンチャックなのに、フニャフニャしておらず、芯がゴリゴリした感じでロックっぽいですよね。
 YouTubeのPVで彼の顔を見ながら、オレはこういうヤツを待っていたんだ! とさえ、思ったもんです。


 これはムッチマレコーズでもぜひ扱いたい、Tシャツとかも作りたいということで、ブンガブンガレコードに連絡したら快諾をいただきました。

 ただ、苦労したのが歌詞カード。
 お客さまに、彼の世界をより深く味わっていただきたい。そういう思いで日本語対訳歌詞カードを作ろうとしたんですが、なにしろ歌詞が下品すぎて、わからないんですよ。
 よくありますよね、外国語学習者にとって、新聞より絵本が、大学の講義より酔っぱらいのエロ話のほうが難しいっていうの。
 このCDがまさにそれで、友だちの韓国人にも聴いてもらいましたが、そいつも育ちが良いからか、全部すっきりとはわからなくて。
 結局、ブンガブンガレコードの、日本語の堪能な担当者と何度もメールのやり取りをしながら、日本語にしていきました。
 歌詞カードはCDをお買い上げの方に差しあげています。ちょっと文字が小さいですけど。


 このCDの最後、뽀찌(ポッチ)という曲の歌詞から、彼の世界の一端を味わってみてください。

♪ 뽀찌

この뽀찌は明らかに보지(ポジ)、つまりマ◯コのことで、そのまま訳せば

♪ マ◯コマ◯コ、ヤリマンのマ◯コ、オレのマ◯コはどこに行ったのか…

ということになります(笑)。ミもフタもない下品さですけど、よく読むとこれ、誰か特定の女性のマ◯コのことではなく、社会全体に対しての怨嗟を歌った歌なんですよね。
 曲の途中、

♪ 今日も電信柱にオレの腐ったものを吐き出し/疲れた身体を引きずって/やっとの思いで家の隅に帰るんだ…

という個所なんか、生々しい挫折感や劣等感の吐露が胸に迫って、なんとも言えず切なくなります。決して下品なだけじゃないんです。

 おかげさまで、ムッチマレコーズに出して以来、けっこう反響も大きくて、彼の理解者は少しずつ増えているようでうれしいです。
 しかし、他のしょうもないK-POP(失礼)に較べてまだまだ知名度が低すぎるし、8曲入りのCDに手作り歌詞プリントとポストカード付きで1,240円なら決して高くないので、みなさんもぜひ買ってください! よろしくお願いしまーす!

【CD】オクスドンワンスンデ - 落ちそうだ

2011年11月15日火曜日

チェジニ「VOYAGE」
최진희 "VOYAGE"

前回のイバクサで「나는 너를」を紹介しました。
 それで思い出して以来、ずっと頭の隅にひっかかっていて、でもわざわざCD探すのもナンだし、と思いながらもやっぱり頭から離れなくて、今日になって出してきましたこれ、チェジニ「VOYAGE」です。


 ジャケットには1996とあるからもう15年も前のCDだけど、あらためて聴いてみるとこれがまた本当に良い。この音盤は基本的にカバー集だから、どれも元の曲が良くて、捨て曲がないのは当たり前としても、アレンジが冒険的で意欲的で、演奏もすばらしいんです。もちろん、チェジニの歌唱もです。

>>나는 너를

 もう、イバクサのと較べるのもイヤですよねー。
 せっかくの機会だから他の曲も聴いてもらいましょう。

>>초우
>>비
>>검은 상초의 블루스
>>황포돗대
>>소양강 처녀

 どうすかこれ、この歌この声この演奏! たまりませんよなぁ。
 関心のある方は、YouTubeとかで元の歌を探してみてください。アレンジャーやミュージシャンの、力量とやる気がわかると思います。

 こんなことは言いたくないけれども、このころは良かったなー。アルバム1枚作るのに、これだけ力が入ってるんだから。
 最近のトロット歌手なんて、このチェジニを含めて、新曲1〜2曲に過去のヒット曲を入れただけの「ニューアルバム」ばっかり出してやがってよー…。
 それで「CDが売れなくなった」なんて、そりゃ当たり前ですよね。

 ともかく、これが名盤なのは間違いないわけですけど、唯一の難点と言えば、録音がヒドすぎる点ですね。たぶん、安い韓国製ラジカセやカーステレオだのでカセットを聴くという、当時のトロットリスナーのリスニング環境に鑑みて、録音エンジニアが頑張りすぎたんですな。
 CDとデジタルアンプに小型スピーカーみたいなうちの環境じゃ、ドンドンシャリシャリチンチンし過ぎて耳が痛くて、とても音量を上げられません。

 しかしムッチマレコーズでも、どうせならこういう過去の名盤を掘り出して売ったりしたいものなんですよなぁ。

 あっそうそう、長らく放置状態のムッチマレコーズですけど、12月初めを目指してリニューアル作業中です。よろしくお願いします!

2011年11月3日木曜日

イバクサ「ハイウェイラップダンシング−元祖韓流スター」
이박사 "Highway rap dancing - 원조한류스타"

 さて再開第2弾はこれ、イバクサ「ハイウェイラップダンシング−元祖韓流スター」です。


 実は私、イバクサってもともとあまり好きじゃないんですよ、声がね、どうもこう、聴いているとなんかイライラしてきたりとか。
 でも日本ではやっぱり「ポンチャック」と言えば「イバクサ」みたいな風潮があって、ツイッターにもイバクサのBotなんかもあるし、知名度はダントツですよね。
 もちろん私だって、ポンチャックという音楽スタイルを日本に広めた彼の功績は大いに評価してますけど。しかし逆に言えば、彼のせいで、ポンチャックという言葉が、日本でも韓国でも誤解されてしまったところがあり、その弊害もまた、大きかったと思うのです。

 まあとにかく、今回の、といっても発売は2006年ころみたいですけど、このアルバム。2枚組で、1枚目が主に新しめトロットヒット曲メドレー、2枚目が主に、韓国の7080ブーム(70〜80年代のフォークソングやグループサウンズなどへの懐古趣味)を反映したグループサウンズメドレーみたいになってます。

 1枚目のトロットっぽいのはまあ、いつもの彼のスタイルですから、特に言うこともないです。もはや貫禄です。
 しかし問題は2枚目なんだよなー。
 選曲はイイんですよね、私もこのへんの韓国グループサウンズ、大好きですから。ただそれらの歌を、キーボイスとかサヌリムとかの曲を、イバクサが歌うのを聴きたいかというと…。
 彼自身、あんまりノリきれてないみたいなところもあるし、ちょっと無理があったんじゃないでしょうかね?

 中でも理解に苦しむのが最後の3曲。「나는 너를(私はあなたを)」と「미인(美人)」という「コリアンロックの父」シンジュンヒョンの名曲2曲の間に「독도는 우리땅(独島はうちの土地)」を挟んでんの。
 元祖ポンチャクアイドルのキムヘヨンの昔の音盤にも入ってましたけど、90年代と現在とでは、両国ナショナリズムのトンガリ具合が違いますから。シャレですまないというか…。
 日本での再デビューはあきらめたんでしょうか? 最近、明◯電気が関心を持ってたようですけどね。

 日本で有名になった彼がこういう歌を歌うことを韓国ではよく「概念がある」なんていう言い方で賞賛したりするんですけど、たとえそう思っていても口に出さない方がよほど「概念がある」と私なんかは思います。
 どうせ解決できないんだから、だまって「새들의 고향」のままにしておいたらいいんじゃないでしょうか「독도」は。
 歌としては嫌いじゃないんですけどね。

 そんなわけで(?)、「나는 너를」を聴いてみてください。

>> 나는 너를 私はあなたを

2011年10月26日水曜日

ナウンド「民謡ディスコ」
나운도 "민요 디스코"

 まあいろいろあって、私自身その存在を忘れていたこのブログ、思うところあって復活させることにいたしました。前回のエントリーが2月となってますから、実に8カ月ぶりの更新となります。皆さま、お懐かしゅうございます。
 今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、今回はこの人、ナウンドの「民謡ディスコ」でございます。


 私、最初にこのジャケット見たときには苦笑してしまいました。だって、「ナウンド」ですよ? いかにもナフナとソルンドを足して2で割ったみたいじゃないですか?
 顔だってナフナっぽい白髪坊主だし。いかにも「パチモン臭い」と感じたってそりゃあなた、無理はありますまい。
 店で私は、本物ナフナのハデハデジャケットDVDとどっちを買おうかと一瞬悩みましたが、当然こっちにしました。

 再生してみて驚いたのは、普通こういうのって、楽しげに踊る男女の映像が出てくるものなんですけど、これは、出演者がナウンド一人だけなんです!
 ナウンド一人に焦点を当て、彼が何台ものキーボードを器用に弾き分けながら、伸びのある声で歌う様子が流れるだけ。ただひたすら、ナウンドの歌声とキーボードのテクニックを、間近で堪能すると。そういう趣向となっております。

♪ニルリリヤ 닐리리니야

 どうですか、チンタラした民謡のリズムをここまでハイスピードにアレンジする能力、リズムのキレ、キーボードのテクニック、歌唱力、どれもすばらしいですよね! 最初、パチモン臭いとか思っちゃった自分が恥ずかしい!
 ポンチャックと言えばイバクサ(李博士)か、せいぜい踊りまくりの観光ディスコみたいなイメージしか持っていない方には、彼の、ミュージシャンとしての技能の高さは衝撃的ではないでしょうか?
 まあ、技能には衝撃を受けても、安っぽいエフェクトがテンコ盛りなのがポンチャックのポンチャックたる所以なワケですけどね。最後の方、サブリミナルのように写る、太ったオレンジチマチョゴリおばさんも、別の意味で衝撃でした。

 彼の場合、確かに技能が卓越しているからこそソロでDVDも出たのでしょうが、他のたくさんのポンチャクシンガーだって「既存の曲を自分なりにアレンジし、たくさんのキーボードを弾きこなし、歌も歌う」というスタイルはナウンドと一緒です。
 ナウンドのようなポンチャクシンガーが、韓国全土に無数にあるキャバレーやナイトクラブ、舞踏場と同じくらいか、もっと多く存在するのです。さすがですよね大韓民国。ポンチャックだってあなどれませんよ!

 キャバレーも、韓国のキャバレーはあくまでも踊りを踊る、いわば中高年のディスコかクラブみたいなもので、日本のキャバレーとはだいぶおもむきが違いますから、韓国のポンチャク文化に興味のある方は、一度入って見るのも良いかと思います。
 農閑期の地方都市のキャバレーなんか、午後の早い時間から、熟男熟女でにぎわっておりますよ!

2011年2月27日日曜日

キムジュンギュ「歌を積んだ配達夫」
김준규 "노래실은 배달부"

 このブログで取り上げたいヤツはたくさんあるんですけど、なかなか時間がとれなくてブログの更新が後回しになってしまい、読んでくださる方もたくさんいるのに申し訳ないかぎりです。
 実は私、今月(2011年2月)からポンチャックCDやDVDの通販の仕事を始めまして、その準備に忙しかったわけなんですが、始めてみるとけっこう反響が大きくて、やっぱりやってよかったなと。ありがたいことでございます。

 今回仕入れたものの中で、印象深かったものが「追憶のアンコールサンサンパーティー」と「楽しいサンサンポルカ」のサンサンシリーズです(笑)。

 これで歌っているキムジュンギュっていう人が私は好きでですねー。出会いはもう10年以上も前でしょうか。

 今ではキレイなソウルの清渓川だけれども、東大門からさらに東に行くと、昔は道路と高架道路との2段構えで覆われていて、それに沿って31アパートという半ばスラム化したアパートが、白い大きな屏風のように建っていたところがあったんです。
 その、スラム化したアパートに沿って長大なガラクタ市場が形成されていて、私はそのなんでもありの猥雑な雰囲気が大好きで、中でも古いレコードやビデオ、ポンチャックのテープやCDなど、私にとってはまさに宝の山でしたね。

 ポンチャックのCDはここに来るたびにジャケットだけを見て10枚、20枚と買っていたんですがあるとき、露店のリヤカーに積まれたCDからいつものように10枚ほど適当に選んでから、店のおばちゃんに値段をまけてくれるよう交渉したんですよヘタな韓国語で。
 当然ダメと言われたんですけど、旅の恥はかき捨て的に粘ったら、おばちゃんはしょうがねーなーみたいな顔で、このCDをくれました。


 もともとLPレコードとして発売されたもののようですが、不思議なことに、ジャケットに「歌を積んだ配達夫(1)/ギター伴奏」とあるだけで、歌手の名前がどこにもないんです。
 もしかしたら「歌を積んだ配達夫」ではなく、この歌手がヨンさまと同じ「裵」姓で「歌を積んだ裵・達夫」ということなのか? とも思いましたがそんなワケではもちろんないし…。

 その後、歌手名のわからぬまま10数年が過ぎテープよりCDよりiTunesが幅をきかせる昨今。思いついてこのCDをパソコンに突っ込んでiTunesで再生したら、驚いたことに曲名のみならずちゃんと歌手名も「김준규キムジュンギュ」と表示されたのでした! 

 それでまあ歌手名はともかく、この中身ね。一聴すると地味で、何がおもしろいのか私もわからなかったんですけど、2度3度と聴くたびに良くなってきて。
 今では絶対の自信を持って名盤判定を下すことができます。
 iTunesで歌手名と曲名がちゃんと出るのも、どうやら、最近これがまた再発されたから、っていうことらしいんですよね。
 その辺ちょっとまだ未確認で、確認されればもちろんムッチマレコーズでも扱いたいと思ってるんですけど。
 とにかくちょっと聴いてみてください。

>>못난 내 청춘 さえない俺の青春

 キムジュンギュのこのヘナヘナした歌声がすばらしいのはもちろんなんだけど、ジャケットにわざわざ「ギター伴奏」とうたうだけあって、このギタリストがすばらしい! ジャマイカの至宝、アーネストラングリンを彷彿とさせますね。
 けれども真にすばらしいのは「뽕짝(ポンチャック)」という言葉の語源である「ポン、チャッ! ポン、チャッ!」というリズムをひたすらに刻み続けるセカンドギターだ!
 これはまさに、マイケルジャクソン「Beat It」で、バンヘイレンのギターソロには文句はないんだけれども、この曲のBeatのキレのよさは、スティーブルカサーが刻むバックのリフにこそ宿る。ということと同じではないでしょうか。
 例えが大げさだがわかりやすいでしょ?

 ただし残念なことに、90年代末の通貨危機と、それを克服する過程において、アメリカ的に弱肉強食化していった韓国社会からは、このCDに象徴されるような大陸的に「ユルーいノリ」はいまや完全に失われてしまいました。
 これ系の中途半端に古いポンチャックの再発が続いてるのも、失われた物への郷愁が拭いがたいからではないでしょうか?

 肝心の「サンサンシリーズ」については、次回、もうちょっとちゃんと書きます、すいません。

 ムッチマレコーズ(http://mutjima.jp/)もよろしくお願いします!